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ここでは、レポート/監査権についてご説明します。
実は、このお話が最もトラブルになるケースが多いです。
通常、ライセンシーはライセンスされた技術を使って商品を製造・販売後、
下記の項目についてライセンサーにレポートをするものです。
*****************************************
①売上高
②費用
③売上高−費用
④利益
⑤利益×ライセンス料率
⑥ライセンス料
*****************************************
ここで、ライセンシーが故意または間違って①売上高や②費用を
実際の金額とは異なるものをライサンサーにレポートするのが
トラブルの始まりです。
まだ、ライセンス料の計算条件が「売上高の○○%」という条件であれば、
トラブルは少ないかもしれません。
でも上記のように「利益の○○%」という条件だと、ライセンシーの方でいくらでも
費用を積み増しして計算することが可能なのです。
でも、こういうことって、不思議とすぐにライセンサーにバレルものです。
ライセンサーとしては、もはやレポートだけでは信頼ができないので、
公認会計士等をライセンシーのオフィスに送り込んで、上記の
①売上高②費用が正しいかどうかを監査するのです。
従って、ライセンサーにとって最低限ライセンサーからレポートを提出させ、
それが疑わしい時は監査する権利を最初の契約交渉で確保しておくこと
は必須項目と言えます。
欧米のアンケート調査結果によると、監査案件のうち70~90%の案件
で、ロイヤリティの計算ミスが見つかっているそうです。(淵邊善彦・吉野
仁之著「ロイヤリティの実務ライセンスビジネスでの契約と監査のノウハウ」
(中央経済社、2008、P89)
計算ミスの原因として、「対象商品」「控除するコスト項目」「子会社・関連会社
との取引」に関する契約書の取決めが曖昧であったことが多いようです。
更に監査について下記のように厳密に定めることもあります。
◆監査の方法(書類コピーも可?、ヒヤリングも可?、監査できる範囲は?)
◆監査の期間(契約期間中および契約終了後も?、何度も同一書類で監査可?)
◆監査費用はどっち負担?(レポート記載の金額とある一定額以上の乖離があったときは?)
◆違反の効果は?(レポートとの差額負担?契約解除?ペナルティ?)
なお、監査費用は通常はライセンサーが負担することが多いですが
レポートの記載金額と支払われるべきロイヤルティーの金額に大きな
乖離が発見されたときは、ライセンシーの負担とするケースもあります。
また、乖離金額に対するペナルティーも支払遅延利息を取るのか乖離金額に
ある一定の違反料率をかけるのかも検討の余地があるでしょう。
◆監査の条文の例
1.ライセンサーはロイヤルティー算出に係るライセンシーの
会計帳簿/関係書類をライセンサーまたはライセンサーの指定する第三者を
して監査することができる。当該監査には関係書類のコピーや関係社員への
インタビューも含む。
2.かかる監査の費用は原則としてライセンサーの負担とする。但し、
監査の結果ライセンシーの支払うべきロイヤルティの金額と実際の
報告金額との間に10%以上の乖離が発見されたときはライセンシーの
負担とする。
3.ライセンシーが報告した許諾製品の売上高が実際の売上高を
下回ることが判明した場合には、ライセンシーはライセンサーに対し、
当該差額にロイヤルティ料率の1.5倍の料率を乗じた金額を
支払うものとする。
通常、ライセンシーとしてはライセンサーに帳簿をガサガサと見られるが
いやなので、短絡的に監査の条件を拒否することが多いです。しかし逆に
考えてみると、積極的に「当社はきちんとやっていますのでどうぞ監査してください!」
とライセンシーの方から積極的にライセンサーに監査の権利を提案する事で当事者間での
信頼関係が構築できるという事もあるようですので、あなたがライセンシーの立場で
あってもよくよく検討されることをお勧めします。なお、監査権を認めるとしても
その期間を限定することは考えられます。例えば上記の第1項は下記のように変更
できるかもしれません。
1.ライセンサーはロイヤルティー算出に係るライセンシーの会計帳簿/関係書類を
当該ロイヤルティーの支払期限から5年間、ライセンサーまたはライセンサーの
指定する第三者をして監査することができる。当該監査には関係書類の
コピーや関係社員へのインタビューも含む。
遠藤は今までこの監査権の記載のないライセンス契約を見たことがありません。
もしあなたがライセンサーの立場であれば、必ず記載するようにしましょう!
担当:遠藤
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