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契約の解除とは、有効に成立した契約を当事者の一方の
解除権により、その成立に遡って解消させることです。
しかしながら、代理店/販売店契約のような継続的契約
の解除については、契約の成立に遡って解消させると
それまでに行われた多くの個別契約の履行が白紙に戻る
ことになるので、将来効(将来における契約の効力がなく
なるだけで、過去の実行済みの契約には効力が及ばない
こと)のみが認められます。
原則的に、契約は当事者間の合意に基づいて取引が
行われている以上、一方的に解除することはできません。
民法でも契約解除できるケースとして定められているのは、
相手方の「履行遅滞=例:支払期日になっても支払が滞っている」
、「履行不能=例:支払期日になっているかどうかに拘わらず
相手方が支払不可能な場合」および「瑕疵担保責任=受入検査時に
発見できなかった瑕疵が後になって発見された」など限られたケース
です。
これを法定解除と言います。
よって、それ以外にも当事者間の合意によって契約解除できるケースを
全て契約書上に列記しておくことは極めて重要です。
これを約定解除と言います。
下記に、約定解除の具体例を書いておきますので、ご自身のビジネスに
当てはめてぜひご検討してみてください。
◆相手方に悪意ある行為があった場合の解除
・契約違反、催告しても是正なし
・監督官庁からの営業取り消し
・詐術、その他の背信的行為
・法令違反・公序良俗に反する行為
◆相手方に経済的信用不安/組織変更があった場合の解除
・信用資力の著しい低下
・差押え、仮処分、強制執行、競売、公租公課の滞納処分
・破産手続、民事再生手続、会社更生法手続等の開始
・解散の決議、他社との合併
◆当事者の一方に、事前通知により解除権が与えられている
場合の解除
◆両当事者が、合意により契約を解除する場合の解除
★なお、判例の準則は確立されていないものの、メーカーが
販売店契約を契約通りに終了できるか否かは裁判では下記のような
要素が検討されます。
・これまでの契約存続期間
・販売店が零細か?販売店のメーカーへの依存度
・販売店の顧客獲得の貢献度
・販売店の投下資本
上記の要素の度合い次第では、販売店からメーカーに
対して顧客に対する販売権益や投下資本の補償を求められることが
ありますので、メーカーとしては下記のような条文を設けることも
検討に値するかもしれません。
◆販売店からの販売権益や投下資本の補償請求を防止する条項
両当事者は、販売店が本契約に基づき受ける利益は本商品の再販売から
得られる利益のみであり、メーカーから販売店に対する販売権益や投下資本
の補償その他補償は一切行われないことを確認する。
担当:遠藤
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