業務提携契約の3つ目のワナとは、
契約書完成が最終ゴールと勘違い
と言うことです。
法律の文章って本当に読みにくいですよね。
細かいゴチャゴチャした文字を見るだけで頭が痛くなってきます。
そして読んでいるうちに、「契約書なんか読むのはもうこりごり!
簡単に作って、さっさと契約締結してしまいたい」、という深層
心理が誰にでも働くのです。
するとどういうことが起きるのか?
契約書の字面だけ揃えば業務提携契約が完了した!
と、解放された気になってしまうのです。
「もうできてるじゃん!何をこれ以上直す必要があるの?」と
今までに何人のクライアントに言われたことか(笑)
そして、その「もうできてるじゃん!」の契約書をどのように
作ったかをよくよく聞いてみると。。。。
- 市販の契約書のひな型をコピペして作った
- 知人の詳しい人に全部お任せで作ってもらった
- ネットからサンプルをダウンロードして作った。。。
- 他社の契約書を修正して作った
などの答えが返って来ることが多いのです。
全ては、「契約書なんか読むのはもうこりごり!簡単に作って、
さっさと契約締結してしまいたい」、という深層心理のせいです。
ここで少し、相手の立場に立って少し考えてみましょう。
今まで業務提携の夢のあるワクワクした話し合いを続けてきた
ある日、相手が契約書案を提示してきました。
「押印をお願いします!」と依頼されたらどのような気持ちになる
でしょうか?
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「ちょっと待てよ。このまま印鑑を押して大丈夫か?」 |
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「やはり一度、法律の専門家に見てもらった方が良いのでは?」 |
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「社内のメンバーの一度意見を聞いてみないと怖いなー」 |
と、まともな経営者なら誰でもなるはずです。
これは大変興味深い現象です!
今まで、「いいよいいよ!契約書案持ってきてくれればすぐハンコ
押すから!」なんてざっくばらんに言っていた経営者のほとんどが
いざ契約書案を受け取ったとたん・・・・・・
上記のように豹変します。
契約書、内容証明、訴状等々・・・・
「法律的な文書」が人に与える恐怖と言う物は計り知れないものが
あるのです。
そして、そのように恐怖を感じている相手方に提示した契約書案が
他社の契約書をそのままコピペしてきたような内容で、今まで双方が
話してきた条件と全く異なるような事が書かれていたとしたら。。
「なんだコイツは?言っている事とやっている事が全然違う!
これは油断がならないぞ!」
と一気に信頼を失い、身構えるでしょう?
そうなんです。
本当の戦いはここからなのです。
契約書案を作ったら、(理想を言えば案を作る前に)
当事者間の実際のビジネスの内容、状況、特殊性が
十分に反映されているかどうかのチェックが最低条件
なのです。
そして更には、
それをどのように相手側と交渉し、両者がWin-Winに
契約締結をまとめるかについての交渉戦略を立てなければ
とても契約締結完了まではたどりつけないのです。
交渉に応じて、何度も何度も契約書案を
修正しなくてはならないのです。
海外との契約交渉ともなれば、その交渉期間が半年にもおよび
その間の契約書の修正が数十回におよぶことも普通です!
そして、通常弁護士、司法書士、行政書士と言った法律家が
業務提携契約の契約交渉には、あまり役に立たないケースが
多いのは、すでにご説明したとおりです。
単に字面だけの体裁を整えて作った契約書をそのままろくに
検討もせずに相手方に提示してしまい、相手方からクレームや
指摘を受けた時になって慌てて内容をよくチェックするような
中小企業の経営者が非常に多いのです。
これが全てのトラブルの始まりです!
三つ目のワナに落ちないための4つのSTEPとは?