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ここでは、下記の2つのポイントについてご説明します。
①サブライセンスできるか否か?
②第三者に譲渡できるか否か?
これは前回の「独占か否か?」比べればほとんど交渉のポイントには
ならないです。
なぜならば、9割以上の確率でサブライセンスと譲渡の権利がライセンシー
に与えられることはないからです。
ちなみにサブライセンスというのは、
****************************************
ライセンサー⇒ライセンシー⇒サブライセンシー
****************************************
というように、ランセンシーが受けたライセンスを更にサブライセンス料を
徴収して、第三者(サブライセンシー)にライセンスする
というものです。
言わば又貸しですね。
ライセンサーとしては、検討に検討を重ねて業務提携のパートナーとして
ライセンシーを選んだ訳です。
よって、それを勝手に又貸しにような形で転用されては困る訳です。
譲渡なんて言ったら尚更です。
ここだけ見てもわかるように、余程特殊な事情がなければ、ライセンサー
としては認める訳にはいかないですよね。
また、秘密情報や知的財産権の保護の問題もあります。
ただでさえ、ライセンシーに対してきつく秘密保持義務や知的財産権を
侵害しないように管理するのは大変な仕事なのです。
それがサブライセンシーが登場してしまったらどうなるでしょう?
もう完全にコントロール不能ですよね?
更に突っ込んだ実例を紹介しましょう。
例えばライセンシーとサブライセンシーが親子会社の関係にあり、かつ
ライセンシーの製品売上3%をライセンサーに払う、という条件になっていたら
どうでしょう?
ライセンシーのところでは、売上は全く上がらない形にして、全て子会社である
サブライセンシーのところでライセンスされた技術を使って製品の製造販売が
可能ですよね。
そしてライセンサーにはほとんどライセンス料は入らない。。。
なんて恐ろしいことが起こりうる訳です。
従って、ここではもしあなたがライセンサーの立場であったとしたら、
「余程のことがない限り上記の①サブライセンス②第三者への譲渡は
「認めてはならない!」という事だけ覚えておきましょう。
ちなみに特許法上、「専用実施権者」および「通常実施権者」共に
特許権者の同意なく実施権をサブライセンスできないことに
なっています(特許法第77条第4項)念のためにサブライセンスを
認めない場合は明確に規定しておくことをお勧めします。
★第三者に許諾製品を委託製造させることができるか?
サブライセンスと少し似ていますがこのような場合は
下記の要件を満たしていれば当該第三者の製造は、
「ライセンシーの実施」と見做され、特許権侵害とは
見做されない余地がある。
・ライセンシーが当該第三者に工賃を支払っている。
・原材料購入、製品の販売、品質はライセンシーが指揮監督している。
・当該第三者の製品は全てライセンシーに納品されている。
しかしながら、わかりずらいケースも多々あるので
契約締結時点でライセンシーが製品の製造を第三者に外注することが
決まっているのであればその旨を明確に規定することを
強くお勧めします。
◆ライセンシーによる第三者への委託製造を認めた条文例
ライセンシーは委託製造先事業者の名称、所在地および委託製造させる
品目をライセンサーに書面にて開示してライセンサーの書面による
事前承諾を得た場合に限り、許諾製品を当該事業者に委託製造
させることができる。
担当:遠藤
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