先日、遠藤の事務所にこんな方から問い合わせが
ありました。
「私は小さな部品製造会社を経営しておりまして
今年で開業14年目になります。」
「小さいながらも従業員共々コツコツと真面目に
働いている甲斐あって、このコロナ禍でも売り上げは
順調に右肩上がりです。」
「ある日のこと、とある大手企業から部品製造のお仕事を
いただけることになりましたが、契約締結前に色々な
会社資料の提出を求められました。」
「登記簿謄本、印鑑証明書、直近3カ年の決算書等々です。」
「それらの書類を提出後3日ぐらいしてから大手企業の担当者の
方から連絡があり、こんなことを言われました。」
『御社はすでに「解散」していますよね?解散している会社が
弊社と新規に契約してビジネスを行おうとするなんて一体
何を考えているんですか!!??ふざけないでください!!
ガシャン!!!』
「先程も申し上げましたとおり、弊社は開業してから14年間
真面目さだけが取り柄でコツコツとお仕事をいただいてきたのに
いきなりこんなことを言われたのは初めてでどうしたら良いか
わかりません!^^;」
「勉強不足で申し訳ないのですが『解散』ってなんでしょうか?
弊社は14年前に司法書士の先生に設立の手続きをしていただいて
以降、何もしていないのにいきなり「解散」するなんてことは
あるのでしょうか?
という感じです。
実は1年に1回ぐらいこの手の問い合わせがあります。
そして、何もしていないのにいきなり「解散」することは
あるのですよ^^;
登記簿謄本ではこんな感じです。
↓ ↓ ↓ ↓
https://www.blogdehp.net/alias_style/master-license/image/B3F4BCB0B2F1BCD2A4B7A4CEA4CEA4E1BDD0C8C7CBA1BFCDC5D0B5ADCAEDA1CAC1B4C9F4BBF6B9E0A1CB2021051400580989.jpg
っていうか、何もしていないから「解散」するのですけどね^^;
実はこれ「取締役の任期と登記の義務」に関係があります。
通常、株式会社の取締役の任期は2年ですが
最長で10年まで延長することができます。
そして取締役は継続して同じ人が業務を行う場合も、
任期が到来したら、その再任決議とその登記を法務局へ
申請しなければなりません。
ってことはですよ。
会社の設立登記が完了してから最低10年に1回は
法務局に登記をしなければならない、ってことに
なりますよね?
そこで法務局では余裕をみて前回最後に登記がされた日から
12年も登記簿が変更されていない会社に通知を送ります。
それでも登記または「まだ事業を廃止していない」旨の届出が
2か月以内に行われない場合は、強制的に解散登記をしてしまう
という訳なのですよ^^;
要は、
「休眠会社をいつまでも記録に残しておくのは良くないよね?」
というごもっともな考え方です。
会社を12年もやっていれば所在地を移転することも
あるので法務局からの通知を見ていない経営者も多いでしょうし、
そもそも、
「会社を設立したらもう後は面倒なことは何もしなくて
良いよね~?^^」
などとお気楽に考えている経営者が多いので、
冒頭のような方が毎年いるという訳なのですよ^^;
当然この「解散」の2文字は上記の通り登記簿謄本に
記録されますのでそれを見た取引相手は頭にきて、
「ふざけないでください!!!!!」
となる訳です。
あなたの会社は大丈夫ですか?(笑)
このように、
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一度手続き完了してもそこで終わりではない!
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という意識がとても重要なのはあなたが
業務提携の契約を締結した場合も全く同じです。
契約締結したら10年以上もそのまま一度も取り出す
こともなく、実際には契約書の規定と全く違う条件で
取引を行っていた。。。なんて経営者がまだまだたくさん
いますよね^^;
大体、「契約締結の条件」が1年後、2年後にまだ
両契約当事者にとって適正な条件であり続けていること
の方がめずらしい訳ですよ。
例えば、何か売上UPのコンサルティングをしてもらうのに
「売上×5%を支払う」
なんて成果報酬型の条件で契約しても1年後、2年後も
その料率で払い続けるのはOKでしょうか?って話です。
OKでないケースの方が多いのでは?
OKでないのにも拘らず、
契約条件の見直し+契約書の修正をしないでおくと
段々と不満がたまってきて契約違反やトラブルが発生する
という訳です。
だからやはり、
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一度、契約締結が完了してもそこで終わりではない!
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という意識をもつことがあなたが業務提携相手と
5年、10年、20年とお付き合いし続けることを望むのであれば
必須の考え方になる訳です。
よってあなたも契約締結したら定期的に、
「契約書に書いてある条件で今も実態と合っているかな??」
と見直ししてみてくださいね^^
またメールしますね。
遠藤祐二