Hライセンス料(ロイヤルティー)【その2】イニシャルペイメント、ランサムペイメント、固定額ロイヤルティー、ミニマムロイヤルティ

ランニングロイヤルティーに引き続き代表的なロイヤルティーの条件について
ご説明します。

自分のビジネスにとってどれが最適かを考えてみてください。

 

@頭金として払う
 (イニシャルペイメント)

 ランニングロイヤルティーとの組み合わせで良く使われます。
 ライセンサーの立場としてみれば、すでに知的財産を開示してしまって
 いる訳です。

 

 ライセンシーがきちんと製品を販売して、毎月のライセンス料を払ってくれるか、
 信頼関係がないうちは不安でしょうから、安心料として先にある一定割合を
 もらっておきたいところです。
  

   なお、イニシャルペイメントと言っても厳密に言うと下記の2パターンが
 考えられます。

 (a)「一時金」の場合
   ⇒金額とは無関係にランニングロイヤルティの支払義務が生じる。

 (b)「前受金」の場合
   ⇒その金額に充つるまでランニングロイヤルティの支払義務は生じない。


★イニシャルペイメントの返金について

ここは良くライセンサーとライセンシーとの間で認識の相違があると
トラブルになることがありますので、明確にしておきたいところです。

◆理由の如何を問わず返金しない例
 ライセンシーからライセンサーに支払われたイニシャルペイメントは 
 本契約の早期解約、本特許権の無効、その他理由の如何を問わず、 
 ライセンシーに返還されないものとする。

◆返金をする例 
 本特許権の本来の存続期間満了前に早期に本契約が終了した場合(本特許 
 の無効による本契約の早期終了の場合を含む)ライセンシーからライセンサーに 
 支払われたイニシャルペイメントのうち、本契約の本来の有効期間に対し、 
 本契約の本来の残存期間に対応する割合の金額が、当該早期終了から
 〇〇日以内に
ライセンシーに返還されるものとする。


A一括して払う
 (ランサムロイヤルティ)

 まさに1回限りの支払でライセンス料の支払完了する形です。両当事者が
 合意に達すればこのような形でも全く問題がありません。

  金額にもよりますが、ライセンサーにとっては一気にライセンス料の回収が
 図れます。


 またライセンシーにとっても、ライセンスされた技術・ノウハウ・ブランドを使って
 製造・販売した商品・サービスがたくさん売れてランサムロイヤルティーを回収
 できてしまえば、大きな利益をあげることができます。

 企業間のソフトウェアの著作権ライセンスなどはこの形が多いようです。

 

 

B固定額のライセンス料を払う
 (フィックスドロイヤルティ)

 これは一番シンプルです。売り上げに関係なく毎月「固定額のロイヤルティー」を
 支払うパターンです。シンプルなので誤解やトラブルが両当事者間で発生するリスクも 
 減りますが、その反面、売上が極端に多かったり少なかったりすると必ず片方の
 当事者の不満が溜まってトラブルになるリスクもあります。

 


C最低ライセンス料を払う
 (ミニマムロイヤルティ)

 ライセンス料がランニングロイヤルティのみの場合にライセンシーがライセンス
 された技術を使って製品を製造・販売しなければライセンサーの収入は「0」です。

 

 この場合、独占的なライセンス契約を締結していたとしたらどうでしょう?

 

 他社にライセンスすることができない訳ですからライセンサーの収入は、
 完全に「0」
です。

 
 従って、独占権を与えたケースにおいて通常は ライセンサーとしては
 ライセンシーの製品販売額に関係なく、最低限のライセンス料(ミニマムロイヤルティ)
 を支払うよう要求するのが普通です。

 

 一口にミニマムロイヤルティと言っても色々なバリエーションがあります。


 例をご紹介しますので、自社にとってベストな形は何か?を是非検討して
 みてくださいね。


(a)ランニングロイヤルティに追加して払うパターン

  例えば、ミニマムロイヤルティを100とする
  ランニングロイヤルティ=70の場合⇒合計170を払う

 

(b)ランニングロイヤルティと選択的に高い方を払うパターン
 
  例えば、ミニマムロイヤルティを100とする
  ランニングロイヤルティ=70の場合⇒100(ミニマムロイヤルティ)を払う
  ランニングロイヤルティ=150の場合⇒150(ランニングロイヤルティ)を払う

 

(c)ランニングロイヤルティに充当して払うパターン

  例えば、ミニマムロイヤルティを100とする
  ランニングロイヤルティ=150の場合⇒差し引いて50を払う

 

また、季節変動等によって売上高が変動するような商品の場合は、
ロイヤルティの金額がミニマムロイヤルティを超過した場合は次の
計算期間まで繰り越すようなことも考えられます。


◆ミニマムロイヤルティ繰り越しの条文例
 ミニマムロイヤルティは各年度●円とする。当年度のランニングロイヤルティが    
 ミニマムロイヤルティの額を超過したときは、その超過額を翌年度に限り 
 ロイヤルティとして繰り越すことができる。

 

参考になりましたでしょうか?

 

ライセンサーの立場が強ければ、ミニマムロイヤルティを毎年増額するように
交渉するパターンもあるようです。もちろん逆に減額していくパターンも
あるかと思います。

上記を参考に色々な数字の組み合わせを契約交渉前にシュミレーションして
みることがとても重要な事前作業になりますのでぜひやってみてくださいね。

 

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