会社が外部の個人事業主に対して業務委託を行う場合、
外部の会社に対して行う場合と比較してかなり注意が必要になります。
「偽装請負」
という言葉を聞いたことはないでしょうか?
通常会社が人を雇うときは、下記のようなリスクとコストが発生します。
◆一度雇い入れるとすぐには解雇できず、解雇すると元従業員による
訴訟や労働基準監督局への密告などのリスク
◆時間外、休日手当、年休などの付与などのコストが発生
◆労災保険、雇用保険、社会保険などのコストが発生
ところが、人を雇う代わりに外部の個人事業主に業務を委託する形に
したらどうでしょう?上記のリスクやコストは全てなくなります。
そこで、実質上は人を雇って指揮命令をして従業員のような使い方
をしているのにもかかわらず、名目上は業務委託契約の形を取る形
を偽装請負といい、労働者保護の観点から大きな社会問題となりました。
個人事業主は、会社(依頼者)からは独立した存在なのですから、
従業員のように会社(依頼者)から指揮命令されて業務を行うのは
おかしいですよね?
よって、個人事業主と業務委託契約を締結する会社は厚生省や労働
基準監督局から厳しくチェックされることになりますので、注意が必要に
なるのです。
最後に非常に簡略化してありますが、厚生省や労働基準監督局から
チェックされやすいポイントについて列記しますね。
◆業務の依頼/受託方法
個々のプロジェクト毎に特定の業務が依頼され、受託者において
受託可能な場合だけ受注すれば良いようになっているか?
◆業務遂行上の指揮監督
業務の遂行方法について受託者に任されているか?
◆拘束性
勤務場所や勤務時間に制限はないか?
◆業務提供の代替性
本人に代わって他の者が労務を提供できる場合、補助者を
使うことが認められているか?
◆報酬
プロジェクトの対価、出来高払いか?
月給、時間給ではないか?欠勤や残業などが支払額に影響
していないか?
◆事業者性
機械、器具、制服、経費を受託者が負担しているか?
◆専属制
他社の業務について受注することが自由か?
◆その他
採用選考過程、退職金制度などの適用はどうか?