最後にシステムの権利を委託者に帰属することを明確に
する場合の考え方についてご説明します。
まず、システムが著作物であった場合、契約書に著作権について
規定する条項がなかったとしても委託者がそのシステムを使用する
ことについて、受託者の黙示の許諾があると言えます。
しかし、
その後システムの中身を変更するなど当初のシステムに改変を
加えることはよくあることでかつ、受託者は自らに改変の委託が
来るであろうことの期待をしていると考えられることから改変に
ついても黙示の許諾があると言えないと考えられることから
もしそれを明確にし改変を委託者または第三者にさせないように
する必要があるという訳です。
◆条文例
1.受託者は、委託者がシステムを本契約に規定する目的のために
使用することを許諾する。
2.受託者は、委託者がシステムの維持の目的でのみ改変することを
許諾する。
3.委託者は、前項の目的以外でシステムを改変するときまたは第三者をして
改変させるときは、受託者の書面による許可を得なければならない。
4.委託者は、受託者の書面による同意なしに本条に定める使用権/改変権を
第三者に譲渡、移転または他の処分を行うことはできないものとする。