OEM契約に限らず、全ての業務委託契約においてこの条項が
最も受託者にとって重要なものの一つでしょう。
委託者のブランドで製品が市場に出れば、様々なリスクが想定され
たとえ、それが受託者の責に帰するものであっても、損害賠償額が
あまりに高いものであれば受託者としては許容できません。
そこで、下記のような規定を定めることにより、受託者の損害賠償額
の予定をし、受託者が安心してOEM契約を受託できるようにすること
もあります。
◆受託者の債務不履行による損害賠償額の上限額は、当該損害賠償
の原因が生じた日から起算して、過去1年間の間に委託者が受託者
に支払った対価の合計額を上限とする。
◆受託者の債務不履行による損害賠償額の上限額は、当該損害賠償が
発生する要因となった個別契約の金額を上限とする。
逆に委託者の立場からすると、受託会社に支払われた合計額を
上限額とすると、一度も支払いがなされていない内に損害が
発生した場合は、一切損害賠償がなされない、ということも
あり得るので注意が必要となります。
さらに下記にように損害賠償の「範囲」を限定することも考えられます。
◆損害賠償の範囲は、現実に発生した直接かつ通常の損害のみとし、
特別事情による損害、逸失利益についての損害および間接損害等は
範囲外とする。
また、念のため委託者に起因して債務不履行となった場合は
下記のように適用外とすることも規定するがあります。
◆但し、当該債務不履行が委託者の故意または過失に起因する場合は
本項の規定は適用しないものとする。